ファクタリングの契約方法は2つ
買取ファクタリングを利用するにあたっては、2つの契約方法があります。
1つ目は自社・売掛先企業・ファクタリング会社の3社の合意のもと契約を進める
“3社間ファクタリング”です。この契約方法では、売掛先企業にもファクタリング契約の同意を得る必要があるため、ファクタリングを活用して資金調達をしようとしているということが知られてしまいます。
一方で2つ目の契約方法である“2社間ファクタリング”では、自社とファクタリング会社の2社間で契約を結ぶ形になりますので、売掛先である取引先企業にファクタリング契約がバレてしまうことはありません。
ファクタリングは世界的にも多くの企業が活用する有効的な資金調達方法です。経営難でなくても債権を流動的に活用していくために積極的にファクタリングを使っていくという企業は多いと言われています。
そのため、ファクタリングによる資金調達=経営が危ない・資金繰りが危ういということには直結しないケースも多いです。
日本国内では、資金調達に対する風評被害を気にする傾向にあります。そのため、取引先に利用していることがバレない融資による資金調達に頼る傾向が多く見受けられます。
政府では、ファクタリングの認知度を上げる活動をすると共に風評被害を抑えるための活動にも積極的に取り組んでいます。
とはいっても、まだまだファクタリングをすることを相手先の企業に知られては困るという考えの方は多くいます。自分の取引先がファクタリングを利用することに不安を感じると答える企業の方も多いといわれています。
2社間ファクタリングならバレない?
絶対に誰にもバレないファクタリングというものはあるのでしょうか?
自社とファクタリング会社だけで契約を結べば本当に周囲に知られることなく資金調達をすることができるのでしょうか?相手先にバレないという点をウリにしている2社間ファクタリングについて、もっと詳しく調べてみました。
契約前~契約時
2社間ファクタリングを選択すれば、ファクタリング会社から売掛先(取引先企業)への通知や連絡は行われません。利用者とファクタリング会社の2社で契約書を交わすことになりますので、売掛先の了解も必要ありません。
そのため、この段階でファクタリング契約が相手方にバレてしまうことは絶対にないと言えるでしょう。
契約後
契約を結び債権が無事に売却した後は、ファクタリング会社側で債権譲渡登記が行われます。これは、「この売掛債権はA社からファクタリング会社に譲渡された」という旨を証明として残しておくためのものです。トラブルの防止やスムーズな取引のために必要なもので、多くの2社間ファクタリングで行われます。
無事に諸手続きが完了した後、ファクタリング会社からの入金という流れです。契約を結んだ後も、売掛先は登場しませんので、知られる心配はありません。
つまり、2社間ファクタリングが結ばれ資金を調達しただけで“何も問題がなければ”売掛先にファクタリングの利用が知られてしまうことはないのです。
ファクタリングがバレるのはどんな時?
さきほど“何も問題がなければ”としたように、相手先企業にファクタリング契約について知られてしまう可能性というのは実はゼロではありません。
考えられる可能性は4つあります。1つずつ詳しく見ていきましょう。
(1)債権譲渡通知が行われる
債権譲渡通知…債権を譲渡・売却したことで、債権者が変更になったという旨を通知するための書類
2社間ファクタリングの契約をした際は、売掛先から入金があった時点でその金額をファクタリング会社に送金しなければなりません。この入金金額の受け取り権利はすでにファクタリング会社に売却済みなので、受け取りの権利はファクタリング会社にあるのです。
とはいっても、2社間ファクタリングでは受け取り権利がないお金が、一旦自社に振り込まれてしまいます。そこで本当にお金に困っている企業などはこの入金を使いこんでしまいファクタリング会社に送金ができなくなるケースなどがあります。
送金されるはずのお金が振り込まれない場合、ファクタリング会社は“債権譲渡通知”を売掛先に送付する可能性があります。
債権譲渡通知が売掛先に届けば、必然的にファクタリングによって債権を売却したという事実が知られてしまうことになるでしょう。
(2)債権譲渡登記の閲覧
先ほど2社間ファクタリングでは契約にあたって債権譲渡登記というものが行われると説明しました。この登記情報は、誰でも閲覧することが可能です。そのため、取引先企業がこの登記情報の閲覧を行った場合、債権が譲渡されているという事実を知ることができるのです。
しかし、この登記情報の閲覧は有料であることや法務局にわざわざ出向く必要がありますので、よほどのことがない限り確認するものではありません。登記情報を閲覧されたことが原因でファクタリング契約が知られてしまったという話は聞いたことがありません。
(3)ファクタリング会社のスタッフによるミス
2社間ファクタリングを希望したにも関わらず、3社間ファクタリングとしての手続きを踏んでしまい相手先に連絡が行ってしまうというものです。
(4)2社間ファクタリングだと思っていたが3社間ファクタリングの契約を結んでいた。
契約前に契約内容を念入りに確認すること・2社間ファクタリングであることをしっかり念押ししておきましょう。
誰にもバレずにファクタリングは可能?
相手先に企業に知られることなくファクタリングで資金調達をしたいという場合には、「2社間ファクタリング」という方法で契約を結びましょう。
その上で、上述したバレる可能性を限りなくゼロに近づけていく必要があります。
(1)については、自社の取り組みしだいで回避することが可能です。取引先に知られたくないと強く思うのであれば、絶対に遅延せず支払を行いましょう。
(2)については、ほとんどの企業がわざわざ確認することはないと考えられます。
(3)は人為的なミスになりますので、こちらがどうこうできるものではありませんが、信頼できるファクタリング企業を選ぶという点がポイントとなってきます。実績に富んで評判の良い企業を選ぶことでスタッフのレベルも高く満足いく対応を受けることができるでしょう。
(4)についてもこちら側の取り組み次第で回避できる事項です。面倒でも時間がなくても、金融契約を結ぶということは契約書がすべてです。契約書の内容に少しでも疑問があれば、うやむやにせずしっかりと確認してから契約を交わしましょう。
2社間ファクタリングを選んだ上で、支払期日をしっかりと守れば相手先にファクタリングによる資金調達が知られてしまう可能性はほとんどないと言えるでしょう。
よって、100%確実に周囲にバレずにファクタリングを利用することはできません。しかし、2社間ファクタリングを利用すれば知られてしまうリスクは限りなくゼロに近い数値になります。
事業を経営していく中で、取引先との信頼関係は重要なポイントです。バレないように資金調達を目指すのであれば、2社間取引に対応しており信頼できるファクタリング会社を選ぶようにしましょう。